- 10月 1, 2026
40代以降の過多月経|量が増えたのは年齢のせい?

院長の福井薫です。40代に入ったころから、生理の量が増えた気がする。血の塊が出るようになった。以前より生理が長引く。そんな変化を感じている方が、外来でも多いです。
更年期だから仕方ない、と思ってそのままにしている方もすくなくないでしょう。たしかに、40代以降のホルモン変化が経血量に影響することはあります。
ただ、量が増えたからといって、すべてが更年期によるものとは限りません。
今回は、生理の量の変化についてまとめます。以前の記事で「生理周期が乱れる原因」についてまとめましたので、あわせてご覧ください。
更年期に出血量が増えることがある理由
更年期には卵巣の働きが少しずつ低下し、ホルモンの分泌が不安定になります。とくに閉経が近づくと、排卵がうまく起こらない周期が増えてきます。
排卵が起こらないと、子宮内膜がいつもとは異なる形で厚くなり、まとまって出血することで一時的に量が多くなることがあります。
こうした変化は更年期に起こり得るものですが、だからといって、年齢のせいと決めつけてしまわないことが大切です。
どのくらいになったら、受診を考えるか
経血量を正確に測ることはできませんが、日常生活への影響を目安にしてみてください。
- ナプキンが1〜2時間もたない
- 夜用でも漏れてしまう
- 大きな血の塊が何度も出る
- 生理中は外出や仕事が難しい
- 7日以上続く
こうした状態があれば、婦人科で一度ご相談してみることをおすすめします。
昔から多いかどうかより、以前と比べてどう変わったかが大切です。40代になってからさらに量が増えているなら、更年期以外の原因が加わっている可能性があります。
更年期障害だと思っていたら、病気が隠れていることも
40代以降で生理の量が増える原因は、ホルモン変化だけではありません。
代表的なのが子宮筋腫です。子宮にできる良性の腫瘍で、できる場所や大きさによって、経血量の増加や生理の長引きが起こることがあります。
子宮腺筋症では、量が増えるだけでなく生理痛が強くなることもあります。子宮内膜ポリープが原因になることもあります。
生理の量が増えた=更年期、ではない。これはこの年代で気をつけてもらいたいことのひとつです。
また、生理だと思っていた出血が、実は不正出血だったということもあります。
いったん生理が終わったのに数日後にまた出血する、性交後に出血するといった場合は、別に考える必要があります。閉経後の出血は、少量でも婦人科で確認することをおすすめします。
出血量が多い方は、貧血にもご注意を
生理の量が多い状態が続くと、体内の鉄が少しずつ失われます。
疲れやすい、息切れがする、朝から体が重い、集中しにくい。こうした症状を更年期のせいと思っていたら、実は貧血が原因だったということもすくなくありません。
注意が必要なのは、血液検査でヘモグロビンが正常でも、体内に蓄えた鉄(フェリチン)が低くなっているケースです。数値の上では問題なくても、体のだるさが続く原因になります。
いわゆる「かくれ貧血」と呼ばれる状態で、外来でもしばしば見られます。かくれ貧血の記事をご参照ください。
生理の量が増えてきた方は、出血そのものだけでなく、鉄不足の面からも一度確認しておくとよいと思います。
婦人科受診のハードルを下げてほしい
40代以降に生理の量が変わること自体は、更年期に見られる変化のひとつです。ただ、年齢のせいだから仕方がないと我慢する必要はありません。
以前と比べて明らかに量が増えた、大きな血の塊が出る、生理が長引く、疲れやすさが続く。そういった変化があれば、一度ご相談ください。
更年期による変化なのか、治療が必要な原因があるのか、確認するだけでも気持ちが楽になることがありますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
長雨が続いていましたが、ようやく秋らしい空気になってきました。どうぞみなさまも、おだやかな秋をお過ごしください。
今月の絵本です。

文責:宝塚かおるレディスクリニック院長・産婦人科専門医 福井薫 [院長プロフィール]