- 9月 1, 2026
生理周期が乱れる原因と、受診を考えるタイミング

院長の福井薫です。厳しい暑さが続き、なんとなく体がだるい、疲れが抜けない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
夏の疲れは、生理の周期にも影響することがあります。
強い日差しの下での体力消耗、冷房による自律神経の乱れ、睡眠の質の低下。
こうした積み重ねがホルモンバランスを乱し、周期がおかしい、という形で表れてくることがすくなくありません。
以前に「生理が重い・遅れる・こない」という記事を書きました。今回はすこし視点を変えて、生理周期の変化についてまとめます。
月経はすこしずつ変化しても不思議ではありません
生理は毎月同じ日に来るもの、というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、実際には多少前後することもあります。一般的には25〜38日程度の周期で推移し、その範囲内であれば正常と考えられています。
一方で、以前は28日周期だったのに最近は40日近く空くようになったとか、毎月ばらばらで予測がつかないとか、生理が何か月も来ないといった状況が続く場合は、一度原因を確認してみることが大切です。
逆に以前より周期が短くなってきた(24日以内が続く)場合も、ホルモンバランスの変化が関係していることがあります。更年期に向かう40代前後では、こうした変化が出やすくなります。
季節の変わり目は自律神経のバランスが乱れやすく、睡眠不足や夏の疲れも重なることで、ホルモンバランスに影響することがあります。
暑さのせいかな、と思っている変化が、実はもうすこし丁寧に見たほうがよい状態であることもあります。
月経不順の背景にある、さまざまな原因
月経は、脳・卵巣・子宮が互いに情報をやり取りしながら成り立っています。そのため、どこか一つのバランスが崩れるだけでも周期が乱れることがあります。
たとえば、強いストレス、急激な体重の増減、睡眠不足、過度な運動などは、排卵に影響を与えることがあります。夏特有の生活リズムの乱れや、暑さによる食欲不振で体重が落ちた、というケースも外来では時々みられます。
また、20代から30代では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が見つかることもすくなくありません。
40代以降では、更年期に向かうホルモンの変化が関係している場合もあります。さらに、甲状腺の病気や高プロラクチン血症など、婦人科以外の病気が背景にあることもあります。
「ストレスのせい」「更年期だから仕方ない」とご自身で判断される方もすくなくありません。もちろんそのようなケースもありますが、検査をして初めて原因がわかることも多くあります。
様子見でよい場合と、受診したほうがよい場合
一度だけ周期が乱れた程度であれば、体調や環境の変化が影響していることもあり、過度に心配する必要はありません。
ただ、次のような場合は一度婦人科でご相談されることをおすすめします。
- 以前と比べて乱れが数か月続いている
- 3か月以上生理が来ない
- 出血量が急に増えたり減ったりした
- 不正出血を伴う
- 強い痛みがある
婦人科では問診だけでなく、必要に応じて超音波検査やホルモン検査などを行い、原因を調べることができます。異常がなければ安心できるということも、受診する大きな意味の一つです。
月経の変化を、見過ごさないために
月経不順は、生理がすこし遅れているというだけの問題ではありません。背景にある原因によっては、将来の妊娠への影響や、更年期以降の健康管理につながる手がかりになることがあります。
「受診するほどではないかもしれないけれども、気になる。」そのようなときは、ぜひ婦人科に相談してみてください。
より詳しく知りたい方は「生理の悩みについて」の診療案内もご覧になってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
酷暑や予測のつかない空模様など、気候の変化をこれほど身近に感じる夏は、これまでなかったように感じます。みなさまもどうぞお気をつけてお過ごしください。
今月の絵本です。

文責:宝塚かおるレディスクリニック院長・産婦人科専門医 福井薫 [院長プロフィール]