- 4月 2, 2025
- 4月 3, 2025
更年期の手の不調
宝塚 かおるレディスクリニック院長の福井薫です。
クリニックを開院してちょうど2年が経ちました。このコラム欄では、患者さまからよく相談される身体のお悩みについて取り上げたいと思います。
ところで、NHKの朝の情報番組「あさイチ」をご存知でしょうか?
くらしや健康に役立つさまざまな情報が紹介される番組で、私も気になるテーマは録画してチェックするようにしています。
というのも、この番組で女性の健康に関するテーマが取り上げられると、それを見た患者さまがご自身の症状に思い当たるということで「テレビで見たんだけれど・・・」と来院されることが多いのです。自分でも番組内容を確認しておくことで、診察がスムーズになることもあります。
2025年2月12日の「あさイチ」では、「更年期の手の不調」が特集されました。
更年期における女性ホルモンの減少が、手指の痛み、しびれ、こわばりなど「メノポハンド」と呼ばれる症状を引き起こす可能性のあることが指摘されていました。
メノポハンドとは
メノポハンドとは、更年期に起こる手の不調を指す言葉で、「メノポーズ(更年期)」+「ハンド(手)」を組み合わせた造語です。
番組の放送後、テレビで見たという患者さまから、更年期にともなう手の不調の相談を受けることが増えています。
メノポハンドについて簡単にまとめてみましたので、ご参考になさってください。
メノポハンドの症状
メノポハンドの主な症状には、以下のようなものがあります。
- 朝のこわばり(起床時に指が動かしにくい)
- 手指の痛み(とくに親指の付け根や指の関節)
- しびれや腫れ
- 細かい動作がしにくくなる(ボタンを留める、ペンを持つなど)
- 物を握ると違和感がある、握力の低下
これらの症状はリウマチや手根管症候群とも似ていますが、メノポハンドの場合は更年期に入るタイミングで症状が出はじめることが特徴です。
メノポハンドの原因
メノポハンドの主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。エストロゲンには関節や腱、筋肉の炎症を抑える働きがあるため、更年期にホルモンバランスが崩れることで、手や指の関節に影響を及ぼすと考えられています。
また、加齢による関節の変形(変形性関節症)や、手の酷使、ストレスなども関係している可能性があります。
対処法・治療法
メノポハンドの症状を和らげるために、以下のような対策が有効とされています。
1. 生活習慣の見直し
- 手を冷やさないようにする(手袋をつける、冷たいものを長時間触らない)
- バランスの良い食事(大豆製品、カルシウム、ビタミンDを意識する)
- 適度な運動
2. 手のケアやストレッチ
- 指や手首をゆっくり曲げ伸ばしする
- 軽いマッサージで血流を促す
- 握力を鍛えるために柔らかいボールを握る
3. サポーターやテーピングの活用
親指や手首を固定することで負担を軽減できるため、症状が強い場合はサポーターを使うのも有効です。
4. エクオール含有サプリメント
エクオールとは、大豆および大豆食品に含まれる大豆イソフラボンを腸内細菌が作り変えることによってできる成分のことで、女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た構造を持っており、その働きもエストロゲンと似ていることが知られています。
それにより、閉経後のホルモンバランスの乱れによる更年期の諸症状を改善する効果が期待できるもので、近年注目されている成分です。
当院では大塚製薬「エクエル プチ」を院内にて販売しています。
5. 痛みが強い場合は医療機関を受診
- 婦人科:更年期症状全般について相談したい場合
- 整形外科:手の変形や痛みが強い場合
- リウマチ科:関節リウマチの可能性がある場合
メノポハンドと間違えやすい病気
メノポハンドは他の手の病気と似た症状を持っているため、自己判断せず、症状が強い場合は医師の診察を受けることが大切です。とくに以下の疾患と区別する必要があります。
- 関節リウマチ:左右対称に関節の腫れや痛みがあり、朝のこわばりが長時間続く
- 手根管症候群:指のしびれや感覚異常があり、親指~薬指にかけて影響が出る
- へバーデン結節・ブシャール結節:指の関節が変形し、腫れや痛みが起こる
まとめ
メノポハンドは更年期に女性ホルモンが減少することで起こる手の不調です。
朝の手のこわばりや痛み、しびれなどの症状があり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。生活習慣の見直しやストレッチ、適切な治療を行うことで、症状を緩和することができます。
更年期の他の症状(ほてり・動悸・不眠など)と併発することも多いため、気になる場合は一度ご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
NHK「あさイチ」のテーマ選びは、上手ですよね。
(文責:宝塚 かおるレディスクリニック 院長 福井薫)