- 7月 1, 2025
子宮頸がん検診って何をするの? ~受ける前に知っておきたいこと~
院長の福井薫です。「子宮頸がん検診って、痛いですか?」「内診ってどんなことをされるのか心配…」「なんとなく不安で、まだ一度も受けたことがなくて…」などなど、婦人科に初めて来られる方から、よくこんなお声をいただきます。
子宮頸がんは、早期に見つけて治療すれば予後の良いがんですが、発見が遅れると治療が難しくなることもあります。そのため、検診での早期発見がとても大切です。
この記事では「子宮頸がん検診とはどんなことをするのか」「痛みはあるのか」「何歳から、どのくらいの頻度で受けるべきなのか」など、みなさんが気になるポイントを解説していきます。
子宮頸がんとは?
子宮は、妊娠・出産に関わる女性の大切な臓器です。その入り口部分にあたる子宮頸部にできるのが子宮頸がんです。最近では20〜30代の若い女性に増えています。
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染です。HPVは性交渉によって感染しますが、実は多くの女性が一生のうちに一度は感染するといわれています。ただし、感染しても自然に排除されることがほとんどで、がんになるのは一部です。
問題は、がんになるまでにほとんど症状がないこと。自覚症状が出てからでは進行していることもあるため、無症状の段階で定期的に検査を受けることがとても重要です。
子宮頸がん検診って何をするの?
検診では、おもに子宮頸部の細胞を採取してがんや前がん状態がないかを調べる検査を行います。流れは以下のようになります。
1. 問診・説明
最初に、月経周期や症状の有無、性交経験の有無、出産歴などについて簡単に問診があります。不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。
2. 内診台に乗って検査開始
検査は内診台に座っていただき、足を左右に開いた状態で行います。緊張される方も多いですが、なるべくリラックスできるよう声かけをしながら進めていきます。当院では、恥ずかしさを軽減するために内診用の検査着(不織布の使い捨てパンツ)をご用意しています。

3. 子宮頸部の細胞採取
腟内にクスコと呼ばれる器具を入れて子宮の入り口を観察し、小さなブラシのような器具で子宮頸部の表面を軽くこすって細胞を採取します。
通常、この検査で強い痛みはありませんが、違和感を感じる方もいます。「ちょっと変な感じ」「生理の時のような感覚だった」と表現される方もいます。
検査結果は1〜2週間程度で出ます。もし異常が見つかった場合も、すぐに「がんです」というわけではありません。多くの場合、前がん状態や一時的な炎症のこともありますので、必要に応じてくわしい検査(コルポスコピー検査や組織検査)を行い、経過を見ていきます。
何歳から、どのくらいの頻度で受ければいいの?
厚生労働省では、20歳以上の女性を対象に、2年に1回の子宮頸がん検診を推奨しています(宝塚市民は1年に1回の検診助成を受けられます)。性交経験がある方は、20代からでもリスクがありますので、積極的に受けていただきたい検査です。
また、HPVワクチンを接種していても、すべてのタイプのウイルスを防げるわけではないため、ワクチン接種後も検診は必要です。
当院での検診での工夫
婦人科検診は「恥ずかしい」「怖い」と感じる方もいらっしゃいます。当院では、医師をふくめスタッフ全員が女性であること、男性のお付き添いをお断りしていること、内診用の検査着(不織布の使い捨てパンツ)の取り扱い、待合室と診察室を階でへだてることなど、プライバシーや安心感に配慮した環境づくりを心がけています。ご不安があれば遠慮なくお話しください。
子宮頸がん検診は、ほんの数分の検査で命を守ることができる、大切な健康習慣です。なにも症状がないとつい後回しにしてしまいがちですが、「大丈夫」と安心するためにも、ぜひ一度、子宮頸がん検診を受けてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
先日、大阪関西万博に行きました。お祭り気分を楽しみました!
(文責:宝塚 かおるレディスクリニック 院長 福井薫)