• 5月 2, 2025
  • 4月 3, 2026

陰部のかゆみ、よくある原因と受診のタイミング

院長の福井薫です。このコラムは日々の診療で相談される内容をもとに、月に一度くらい更新していきたいと思います。

「陰部のかゆみが気になっているのですが…」というご相談は、実は日々の診療のなかでとても多いものです。

ただ、その一方で、「この程度で受診してよいのか」「もうすこし様子を見てもいいのでは」と迷われ、しばらく我慢してしまう方も少なくありません。なかには、同じ症状を繰り返しながら、長くお一人で抱えてこられた方もいらっしゃいます。

陰部のかゆみは、一時的な刺激によるものから、治療が必要な病気まで原因がさまざまです。

今回は、よくある原因と、受診を考えていただきたいタイミングについてまとめてみます。

よくある原因について

陰部のかゆみの原因として、まず挙げられるのが「感染症」です。なかでも多いのが、カンジダ腟炎です。

カンジダ菌はもともと体に存在している常在菌の一種ですが、体調の変化や抗生物質の使用、ストレスなどをきっかけにバランスが崩れると、増殖して症状を引き起こします。強いかゆみや、白くぽろぽろとしたおりものが特徴で、日中だけでなく、夜間にかゆみが強くなると感じる方もいらっしゃいます。

そのほか、細菌性腟炎なども、かゆみの原因となります。また、下着やナプキン、洗浄剤などによる刺激やかぶれも意外と多く、清潔にしようと思って行っているケアが、かえって負担になっていることもあります。

さらに、閉経前後の方では、女性ホルモンの低下によって皮膚や粘膜が乾燥しやすくなり、かゆみや違和感が出ることもあります。こうした場合は、感染とは異なるアプローチが必要になります。

「様子を見てよいか」迷うときに

かゆみの程度や経過によっては、「もうすこし様子を見ようかな」と迷われることもあると思います。

例えば、一時的な軽いかゆみで、数日で自然におさまるような場合は、大きな問題ではないこともあります。ただし、

  • かゆみが数日以上続いている
  • 症状を繰り返している
  • おりものの量や性状が変わっている

といった場合には、一度原因を確認しておくと安心です。

とくに「以前にも同じような症状があったから今回も同じだろう」と自己判断されるケースは少なくありませんが、似た症状でも原因が異なることがあります。

適切な治療につなげるためにも、その都度の状態を確認することが大切です。

受診を考えていただきたいサイン

次のような場合には、早めの受診をおすすめします。

かゆみが強く、日常生活に支障が出ている場合や、掻いてしまうことで皮膚に傷ができている場合は、症状を長引かせないためにも治療が必要です。

また、強いにおいを伴うおりものや、色の変化(黄色や緑色など)がある場合、あるいは痛みや腫れをともなう場合も、感染症の可能性を考えて確認しておく必要があります。

閉経後に新たにかゆみが出てきた場合や、乾燥やヒリヒリした違和感が続く場合も、ホルモンの影響を含めて判断することが望まれます。

診察ではどんなことをするのか

受診にあたって、「どのような診察をするのか不安」というお声もよくうかがいます。

診察では、まず症状の経過や生活の状況についてお話をうかがいます。そのうえで、必要に応じて外陰部の状態を確認し、おりものの検査などを行います。

検査の結果と、その方の症状やご希望に応じて、塗り薬や腟剤、内服薬などを用いて治療を行います。

また、日常生活でのケアについても、負担にならない範囲で整えていけるようお伝えしています。

ひとりで抱え込まないために

陰部のかゆみは、とても個人的で、言葉にすること自体にためらいを感じる症状です。「恥ずかしいな」「この程度で相談していいのかな」と感じるお気持ちは、自然なことだと思います。

一方で、かゆみは体からのサインでもあります。無理に我慢を続けることで、症状が長引いたり、生活の質が下がってしまうこともあります。

診察では、できるだけ安心してお話しいただけるよう配慮しながら、必要な範囲で状態を確認していきます。まずは今の状態を知ることだけでも、十分に意味のある一歩です。 気になる症状が続くときや、繰り返すときには、どうぞ無理をなさらずご相談ください。

また、おりもの異常についてまとめて知りたい方は、当院の「おりもの異常・性感染症」のページもご覧になってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ゴールデンウィーク、どこか遠くへ出かけたくなりますね〜

院内に飾っている絵、その2

文責:宝塚かおるレディスクリニック院長・産婦人科専門医 福井薫 [院長プロフィール

宝塚 かおるレディスクリニック
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