- 7月 1, 2026
おりものが増えた・臭う・色が違う…婦人科を受診した方がよいサインとは?

院長の福井薫です。おりものについてのご相談、多いですね。なかでも、量が急に増えた気がする、なんだかにおいが気になる、色がいつもと違うというお悩みが多いです。
おりものの悩みは身近なものですが、人には相談しにくく、受診をためらってしまう方もおられるでしょう。変化に気づいても様子を見ようとそのままにしてしまう方や、インターネットで調べても、自分の症状に当てはまる情報が見つからず、不安を抱えたまま過ごしている方も少なくないと思います。
おりものは、女性の体の状態を映す鏡のような存在です。正常な変化であることもあれば、治療が必要な病気のサインであることもあります。
今回はすこし長いですが、おりものの基本的な役割から、受診を考えていただきたい変化まで、参考になるようにまとめます。
おりものはなぜ出るか? 正常なおりものの特徴
おりものは、子宮や腟を清潔に保ち、外からの細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きをしています。また、排卵期には精子が通りやすくなるよう性状が変化するなど、生殖機能とも深く関わっています。
正常なおりものは透明から乳白色で、すこし粘り気があります。においもまったく無臭というわけではなく、軽い酸っぱいにおいを感じることがあります。
量や状態は月経周期や年齢によって自然に変化します。
排卵期には透明でよく伸びる状態になり、月経前には白っぽく粘り気が増します。妊娠中は全体的に量が増える傾向があり、更年期以降は女性ホルモンの減少に伴って分泌量が少なくなり、腟の乾燥を感じやすくなります。
こうした変化は生理的なものであり、病気ではありません。まずは普段のご自身のおりものの状態を知っておくことが大切です。
色・におい・量の変化は体からのサイン
おりものの異常で多いのは、「色が違う」「においが強い」「量が増えた」という変化です。
色の変化は、原因を考えるうえでひとつの手がかりになります。
白いポロポロとしたカッテージチーズ状のおりものは、カンジダ腟炎でみられることがあります。かゆみを伴うことも多いです。
黄色のおりものは細菌感染が関係していることがあり、黄緑色になるとクラミジアや淋菌などの性感染症が疑われる場合もあります。
灰色のおりものに魚のような独特のにおいを伴う場合は、細菌性腟症の特徴的な症状のひとつです。
茶色のおりものは古い血液が混じっている状態です。生理の始まりや終わり頃にみられることもありますが、生理とは関係のない時期に繰り返しみられたり、数週間にわたって続いたりする場合には注意が必要です。診察をしていると、茶色いおりものだから出血ではないと思っていた、とおっしゃる方もいます。しかし実際には、不正出血が少量ずつ続いている状態であることもあります。
血液が混じるおりものや、ピンク色のおりものが続く場合は、不正出血が起きている可能性があります。ホルモンバランスの変化によることもありますが、子宮頸管ポリープや子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんなどの病気が隠れていることもあります。
とくに性交後に出血を伴う場合や、更年期以降に血液の混じったおりものがみられる場合は、一度婦人科で確認することをおすすめします。くわしくは当院の不正出血の記事で解説していますので、気になる方はあわせてご覧ください。
においも重要なサインです。もともとおりものには多少のにおいがありますが、急ににおいが強くなったり、魚のようなにおいがしたり、性交後ににおいが強くなったりする場合には、感染症や腟内環境の変化が関係していることがあります。
また、量についても注意が必要です。排卵期や妊娠中には増えることがありますが、急激に増えたり、下着を頻繁に替えなければならないほど多くなったりした場合には、一度婦人科で相談されることをおすすめします。
おりもの異常で考えられる主な病気
おりものの変化の背景にはさまざまな病気があります。代表的なものとして、カンジダ腟炎、細菌性腟症、クラミジア感染症、淋菌感染症、トリコモナス感染症などがあります。
また、血液の混じったおりものや不正出血が続く場合には、子宮頸がんや子宮体がんなどの病気も否定できません。
もちろん、おりものが変化したからといって重大な病気とは限りません。しかし、症状だけで原因を判断することは難しく、診察や検査を行うことで初めて原因がわかるケースも少なくありません。
おりもの異常は性交渉経験のない方にも起こります。性交渉をしていないから、という方もいらっしゃいますが、カンジダ腟炎や細菌性腟症などは性交渉の有無にかかわらず起こります。気になる症状があれば遠慮なくご相談ください。
こんなときは婦人科受診をおすすめします
次のような場合は、一度受診をご検討ください。
いつもと違うおりものの状態が1〜2週間以上続いている場合、量が急に増えた場合、強いにおいがある場合、かゆみや痛みを伴う場合、血が混じる場合、市販薬を使っても改善しない場合、新しいパートナーとの性交渉後に症状が出た場合は、原因を確認するためにも受診をおすすめします。
なかでも妊娠中は慎重な判断が必要です。妊娠中だからと自己判断せず、気になる変化があればご相談ください。
また、かゆみがあると市販薬で様子をみる方も少なくありません。しかし、カンジダだと思っていたら別の感染症だったということもあります。症状を繰り返す場合や改善しない場合には、一度診察を受けていただくことをおすすめします。
おりものの変化は、体からのサインです
おりものは日常的に変化するものだからこそ、いつもと違うという違和感が大切です。おりものの異常は、婦人科で非常に多いご相談のひとつです。一人で悩まず、気になる変化が続く場合はぜひご相談ください。
おりもの異常・性感染症の診療については、当院のおりもの異常・性感染症診療ページでもご案内しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
先月は、台風の行方が気になって天気予報を何度も見ていました。
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文責:宝塚かおるレディスクリニック院長・産婦人科専門医 福井薫 [院長プロフィール]