• 4月 1, 2026

閉経前後の不正出血 〜様子をみてよい出血と受診が必要な出血〜

院長の福井薫です。外来で閉経前後の年代の方からよくうかがうのが、不正出血についてのご相談です。

「生理が終わったと思っていたのに、また出血があって」、「更年期だからでしょうか」と、不安げに来院されることが少なくありません。

閉経前後は、体が次の段階へ移行していく時期です。変化のあること自体は自然ですが、その変化が本当に年齢によるものなのかどうか、判断に迷うのも当然のことです。

今回は、様子をみてよい出血と受診が必要な出血についてまとめてみます。

ホルモンのゆらぎによる出血

閉経前後の時期は卵巣機能が少しずつ低下し、女性ホルモンの分泌が大きく変動します。排卵が起こらない周期が増えることで子宮内膜が不安定になり、予定外の出血がみられることがあります。

出血量が少なく、数日で自然におさまり、強い痛みや発熱を伴わない場合には、ホルモン変動の影響と考えられることが多いでしょう。月経周期が不規則になり、間隔があいたり戻ったりするのも、閉経に向かう過程ではめずらしくありません。

診察の結果、「ホルモンの変化によるものですね」と説明できるケースも多くあります。ちょっとした違和感でも、確認することの大切さを感じます。

受診をおすすめしたい出血

一方で、見逃してはいけない出血もあります。

閉経後、つまり月経が一年以上なかったあとにみられる出血は、量がわずかであっても確認が必要です。また、だらだらと長く続く出血、急に量が増えた出血、性交時の出血、貧血を伴うような出血も受診をおすすめします。

頻度は高くありませんが、子宮や子宮頸部の病気が背景にあることもあります。早期であれば適切な治療につなげることができますから、念のための受診には十分な意味があります。

年齢のせい、と決めつけないために

「もうこの年齢だから」と様子をみていた、という方も少なくありません。確かに更年期による出血は多いのですが、自己判断だけで区別するのは難しいことがあります。検査をして異常がなければ、それは安心材料になります。もし治療が必要な状態であっても、早い段階で見つけることができれば選択肢は広がります。

体からのサインに気づいたときに、それをきちんと受け止めること。それが結果として、ご自身を守ることにつながります。

安心してご相談いただくために

当院では、問診でこれまでの経過を丁寧にうかがい、必要に応じて超音波検査や細胞診などを行っています。検査の目的や結果についても、その場でできるだけわかりやすくお伝えしています。検診についてまとめて知りたい方は、「婦人科検診・プレコンセプションケア」のページもご覧になってください。

「こんなことで受診してよかったのでしょうか」と言われることがありますが、不正出血は決して“こんなこと”ではありません。確認することで安心できるのであれば、それは十分に意味のある受診です。

閉経前後は、多くの女性にとって体の転換期です。迷う出血があれば、ひとりで抱え込まずにご相談ください。落ち着いて現状を把握することが、これからの時間をおだやかに過ごすための土台になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

急に春めき、桜も見ごろを迎えましたが、雨風で早くも散ってしまうのではないかとすこし気がかりです。

ご近所の桜

文責:宝塚かおるレディスクリニック院長・産婦人科専門医 福井薫 [院長プロフィール

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