避妊・アフターピル
当院では「経口避妊薬」と呼ばれる、毎日の服用で避妊効果を発揮する「低用量ピル」、避妊リング（ミレーナ）を取り扱っています。また避妊に失敗したときに用いる「アフターピル（緊急避妊薬）」も取り扱っています。
低用量ピル
低用量ピルは、卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲスチン）というふたつの女性ホルモンが含まれた錠剤で、毎日服用することで高い避妊効果を発揮します。さらに避妊効果以外の副効用（副作用とは異なり、服用目的以外で見込まれる良い効果のこと）として、月経痛を軽減したり、月経前の心や身体の不調（PMS）を緩和したり、月経量の減少などにも効果も期待されるものです。
低用量ピルの効果
避妊効果ということでは、脳下垂体が低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンをキャッチすると、「妊娠している状態である」と脳が認識し、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌をおさえることで排卵がストップされます。また黄体ホルモンの働きで子宮頸管の粘液を変化させ、精液が子宮内に進入しにくくします。さらに排卵されないことから、子宮内膜が万が一受精しても着床しにくい状態となっているため、避妊効果が高まります。
低用量ピルを使用する避妊以外の効果としては、月経痛の軽減、月経血量の減少による貧血の改善、月経不順の改善、子宮内膜症の予防と改善などがあります。さらにホルモンバランスが改善されることにより、月経前症状（PMS）の軽減、にきび・多毛などの改善、更年期症状の予防なども期待できます。この他、排卵を抑えることで卵巣がんの予防、長期服用していくことで、子宮体がんや大腸がんのリスクが軽減される効果があることも知られています。
このほか、生理（月経）が始まる日がきまってくるため、旅行などのイベント、仕事や試験などのスケジュールが合わせやすくなるなど、低用量ピルは避妊以外にもメリットがあり、赤ちゃんが欲しい時は、服用を止めれば、次の排卵から妊娠が可能になります。
副作用
服用当初に不正出血、吐き気、だるさ等の症状が現れる場合がありますが、継続しているうちに症状は落ち着いてきます。長期的な服用では、血栓ができやすくなる傾向などがあるとされていますが、近年のピルは低用量で副作用の出現が少なくなっており、さらに定期的に検診や血液検査を行うことにより対処していくことができます。
料金
現在、低用量ピルが保険適用となるのは、月経困難症と子宮内膜症の治療目的の場合だけであり、避妊目的の場合は自費診療（全額患者様負担）となります。
費用はこちらからご確認ください。
アフターピル
「緊急避妊薬」と呼ばれるアフターピルは黄体ホルモン関連薬で、排卵・着床を阻害する作用があります。妊娠を望まない女性が避妊をせずに性交をした場合やコンドームの破損、低容量ピルの飲み忘れなどの際に、性交後に服用することで避妊の効果があるピルです。
妊娠は、排卵→受精→受精卵の着床という3段階で成立しますが、アフターピルは、「排卵」と「受精卵の着床」の双方を抑制する作用があるため、排卵を遅延させ受精を妨げるとともに、受精後でも避妊効果を発揮します。
アフターピルは、性行為後72時間以内の服用が推奨されます。なるべく早期に服用することが避妊率を高めますので、避妊失敗の性行為後、すぐに受診することが重要です。 個人差はありますが、アフターピルを飲んでから、早ければ3～4日、遅くとも3週間以内にピルによる人工的な生理（消退出血）がきます。3週間以内に消退出血が来ない場合は、避妊に失敗した可能性があり、妊娠検査が必要になります。
副作用
服用後、吐き気などがある場合がありますが、当院が使用するアフターピルは、比較的副作用（吐き気）が少ないものとなっています。
薬剤の種類・服用方法
自費診療となり、全額患者様負担となります。
| 経過時間 | 72時間以内 |
|---|---|
| 適応製剤 | レボノルゲストレル |
| 服用方法 | 1回1錠 |
費用はこちらからご確認ください。
子宮内避妊具
当院ではミレーナを取り扱っています。
ミレーナは黄体ホルモンを付加した子宮内避妊システムです。子宮内膜の増殖抑制、および子宮頸管粘液の粘性を高め、精子の通過を阻止することで高い避妊効果が得られます。
また、子宮内膜が薄い状態になることで月経血を減少させるとともに月経痛も軽減されます。ミレーナの有効期間は5年です。
（過多月経や月経困難症の治療でミレーナを用いる場合には保険適応となります。）
費用はこちらからご確認ください。
- 当院では人工妊娠中絶は行っておりません。
